在日経験が長い外国人が見たニッポンの姿とは? 英国人、フランス人、インド人、ベトナム人の4人が日本のビジネス慣習や日本人の英語について縦横に語ります。4カ国の4人が日本にやって来た理由もさまざま。結果として長く日本にかかわり、日本企業のあり方について、たくさんの意見を持っています。

そして4人が気になるのが日本人の英語。どうして日本人は、あんなにシャイなのか。恥ずかしがることを恐れるあまり、英語の上達を阻害していないか。日本人と日本企業のグローバル化について語り合いました。

座談会参加者プロフィル

撮影:尾形文繁

ヤン・ルナール(Yann Renard)

勤務先
INSEAD日本同窓会
(注)INSEAD(インシアード)は、フランス、シンガポール、アブダビにキャンパスを持つビジネススクール・経営大学院

自己紹介
現在42歳で生まれも育ちもフランスの生粋のヨーロッパ人で2人の娘がいます。1997年に初来日して以来、エネルギーやIT産業で日本内外のビジネス&コーポレートディベロプメントの分野に携わってきました。2013年にINSEAD経営大学院でエグゼクティブMBA(EMBA)を取得し、INSEAD日本同窓会の理事も務めています。また、15年からはヒューレット・パッカード社で、日産と日産ルノー担当のアカウントエグゼクティブとして勤務しています。

日本の好きなところ、嫌いなところ
好き:深い文化、品がよくモラルのある人が多いところ
嫌い:日本で起こっている変化は、物事をそのままに保とうとして失敗した結果だと思います。人々が長く責任を持ち、問題解決しようとする姿勢に欠けているところ。

どのようにして日本に興味を持ちましたか?
私の世代は、日本とドイツが第二次世界大戦で灰塵に帰してから、経済力でトップクラスに台頭するのを見ています。それらの背後にある原動力が何なのか、なぜそのようなことを成しえたのか知りたいと考えました。

趣味
EmmaとNinaの2人の娘が、二つの文化(日本・フランス)のベストな部分を得られるようサポートすること。

好きな食べ物
フランスの料理だとカスレ、日本食だと天ぷらです。

座右の銘、好きな言葉など
« Que votre volonté soit l’étincelle des autres volontés. » 
そこにはただ一つの義務と確実な道しかない、正しいことをしようとする姿勢と、正しいと信じていることをしたり言ったりするのを恐れないことだ。

 

撮影:尾形文繁

レ・ティ・タン・タオ(LE THI THANH THAO)

勤務先
アサヒビール株式会社

自己紹介
来日する前はベトナムの故郷にあるCanThoテレビ局で司会の仕事や気象予報アナウンサーの仕事をしていました。2003年にJASSO(日本学生支援機構)の優秀学生賞に選ばれて東京に来るチャンスがあり、東京農工大学の短期留学プログラムに参加しました。その後、07年に日本政府の奨学金を得て同大学の修士号取得のため再来日しました。現在35歳で、アサヒビールに入社する前は東京農工大学でJICAプロジェクトの調整役として6か月勤務していました。

日本の好きなところ、嫌いなところ
日本の風景や健康的な食べ物はとても素晴らしいと思っています。

趣味
旅行

好きな食べ物
お寿司、うな重

座右の銘、好きな言葉など
大きなスケールで考え、大きな夢を持ち、多いに信じれば大いなる結果がともなう

 

撮影:尾形文繁

ヘレン・ベントレー(Helen Bentley) 

勤務先
フィンズベリー

自己紹介
日本企業がビジネスをグローバルに展開するためのアドバイスを行うコミュニケーション&マーケティングスペシャリストです。2020年の東京オリンピック・パラリンピック誘致委員会で働いていた際には、誘致委員長に入札戦略をアドバイスするとともに、政府高官のためにキーとなるコミュニケーション設計を行いました。現在は東京、北京、香港、シンガポールのチームと一緒に危機管理や国際的な企業価値を高めるための戦略アドバイスをしています。

日本の好きなところ、嫌いなところ 
日本はとても便利で安全かつ、様々な興味深い文化を持ち合わせた国だと思っています。伝統とモダンの融合や日本の食べ物もとても好きです。日本に住んで約7年もたって、国内の色々なところに旅行をしたにもかかわらず、いまだに新たに探検するところや楽しいことを発見します。嫌いなところはあまりないですが、日本のワークスタイルはとても厳しくて融通がきかないことがあり、フラストレーションがたまることもあります。

どのようにして日本に興味を持ちましたか?
オックスフォード大学で歴史学を学んでいた際、イギリスとの比較ができる国や文化を探そうとしていて偶然日本に行き当たりました。 日本はイギリスと同じ島国であり、強い経済力と長い歴史を持つという点で似た部分があり、興味深い比較対象になると思いました。

趣味 
異文化や新たな外国語を学ぶこと、読書、子供向けの本を書くこと、写真撮影、ハイキング、トライアスロン、ダンス。

好きな食べ物
日本の食べ物はみんな好きですが、もし3つ選ぶとしたらすき焼き、親子丼、ネギトロが好きです。

座右の銘、好きな言葉など
一回目で成功しなくても、何度も挑戦あるのみ

 

撮影:尾形文繁

モハン・モハナゴパル(Mohan Mohanagopal)

勤務先
日本ヒューレット・パッカード

自己紹介
インディアン・インスティテュート・オブ・テクノロジー・カラグプル(インド工科大学)工学部卒業、インディアン・インスティテュート・オブ・マネージメント・アフマダーバード(インド経営大学院)経営学修士。33年のキャリアのほとんどをIT業界過ごし、カントリーマネージメントやコンサルタント、セールス、プロダクトマーケティング、アライアンスマネジメント、セールスコーチング、技術開発などの役割を担ってきました。

日本の好きなところ、嫌いなところ
東京には26年間住んでいます。私と家族にとって日本は第二の故郷ですので、いまだに日本社会に受け入れられてないと思わせる場面に遭遇すると(特に警察官に身分証明書確認のため止められたりすると)フラストレーションを感じます。しかし、好きなものの数のほうが多い。日本特有の深く長く続く人間関係や、清潔さ、礼節、コミットメント、信頼性が好きです。ほかにも四季折々の果物や、日本製のものが高品質であることも大好きな部分です。

趣味
旅行、読書、ユーモア

好きな食べ物
乳製品とパン菓子類(ベジタリアンなので)

座右の銘、好きな言葉など
祈りは最も繊細な感覚であり、そのさざ波はあなたの存在すべてに染み渡る
── シュリ・シュリ・ラヴィ ・シャンカール

(週刊東洋経済プラス編集部)