今年88歳を迎えたベイシアグループ創業者の土屋嘉雄氏(写真:ベイシア)
26歳のときに群馬県の伊勢崎市でいせやを創業し、一代で1兆円の流通グループを築いた土屋嘉雄氏。どのような思いで大目標の到達を受け止め、そして今後のベイシアグループや小売業の将来をどう考えているのかを聞いた。(インタビューは書面で行った)

 

――少子高齢化やネット通販台頭の影響を受け、競争の激しい国内小売市場において、ここまで成長できた理由、大手の同業他社と決定的に違う強みをどう見ていますか。

10月末におかげさまで1兆円を達成いたしました(2019年11月~2020年10月の年間売上高)。要約すれば「継続」「原理原則の徹底追求」「人材の育成」「情報収集と時代への対応」ということに尽きるかと思います。

「継続」とは、潰れたりせずに事業を続けるということ。一緒に働いてくれる社員に対する責任、支持してくれるお客様のためにも、会社が継続されなければならないということです。当社の標語に「継続は力」というのがありますが、続けるところから新しい力も生まれてくると思っています。

これを実現するために、いたずらに規模の拡大を求めず、身の丈に合った成長を守り続ける。そのためにも人を育て、“膨張”でなく“成長”を追求してきました。

そして、広く情報を集め、的確に時代に反応する。いうなれば、当たり前のことですが、そのための原理原則を愚直に、徹底的に追求してきました。振り返れば、それがベイシアグループの一番の特色であると思います。

一方で「1兆円構想」「商業の工業化」「地域格差の解消」といった大きな目標を掲げて自分たちの目指す方向性や社会的な使命を意識づけてきました。

成長に2つの要因

――創業以来、時代や消費環境の変化に応じて見直してきた経営戦略、逆にあえて変えずに守り通してきた戦略は何ですか。