有料会員限定

オバマ「転落」の6年 米国をリセットできず 旧弊な対立構造はむしろ激化

✎ 1〜 ✎ 12 ✎ 13 ✎ 14 ✎ 最新
拡大
縮小

今中間選挙でも不人気ぶりが目立つオバマ大統領。あの6年前の熱狂はなぜしぼんでしまったのか。

ティーパーティ(茶会派)が息巻く共和党に下院を支配され、徹底した拒否戦略でオバマは痛めつけられた

特集「アメリカ」の他の記事を読む

オバマ政権が発足してからおよそ6年。11月4日には中間選挙が行われる。選挙自体は接戦が繰り広げられているが、オバマ政権についてはいい話がほとんど聞こえてこない。民主党の候補の多くは支持率が40%台前半で低迷しているオバマ大統領の存在をひた隠しにしようとし、共和党はとにかく民主党候補への1票はオバマ大統領への1票だと繰り返し主張し、攻勢に出ている。

今や大統領と、2008年の大統領選挙キャンペーンのスローガンであった「希望(ホープ)」や「変革(チェンジ)」という言葉を重ねて論じようとする人はほとんどいない。なぜこうなってしまったのか。オバマへの期待は、一人の指導者が国家の行方を左右できるというロマンチックな幻想に基づいた期待にすぎなかったのか。それともオバマ政権に決定的な失策があったのか。残すところ2年強のこの政権の6年を振り返ってみたい。

「ザ・スピーチ」で始まったオバマ躍進

まずは、04年7月の民主党全国大会にまで戻らなければならない。この場の本来の主役は、大統領候補に正式に指名されるジョン・ケリー上院議員(現国務長官)であるはずだった。しかし、人々はイリノイ州から連邦上院議員選挙に出馬していた無名の黒人青年の言葉に酔いしれた。

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
特集インデックス
アメリカ
エピローグ「ポスト金融緩和の政治経済学」
起業家集まるデトロイト
本社海外移転で租税回避がブーム
自己勘定取引の禁止で高収益への復活は困難
▶▶PART3 バブル・イズ・バック? 米国経済の希望と不安
漫画で読み解く米国社会2
中国系移民の激増に戸惑い
問われるイスラム国への対応
福音か、世紀の愚策か
米国を振り回す南部の保守反動
ヒートアップ目前
広まり続ける差別感情
旧弊な対立構造はむしろ激化
▶▶PART2 投票直前!米国政治はどこへ行く
漫画で読み解く米国社会 1
[INTERVIEW]『ザ・ニューヨーカー』誌記者 ジョージ・パッカー
大都市だけじゃない! 顕在化する州内格差
「メード・イン・アメリカ」の苦い現実
図でわかる
カリフォルニアの夢と絶望
IT王国を覆う「持たざる不満」
[INTERVIEW]ローランド・フライヤー
▶▶PART1 現地報告 分断される1%と99%
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内