JR信濃町駅から徒歩6分ほどの外苑東通り沿いで、老朽マンションの建て替え工事が始まった。築53年、地上11階建ての「シンテンビル」。ちょうど前回の東京五輪開催前の建築ブームのさなかに建てられた分譲マンションだ。

53年経ち、住民の高齢化も進んでいた。総戸数28のうち区分所有者本人が暮らしている住戸は10のみ。半分近くが賃貸や事務所に使われ、空室も6戸あった。

日本の分譲マンション供給は昭和30年代から始まり、ストック数は約600万戸に達する。しかし建て替え実績は2013年4月時点でわずかに183件、約1.4万戸にすぎない。

建て替えで狭くなる「既存不適格」物件

建て替えたマンションの大部分は敷地の容積率に余裕があり、建て替え前より住戸数を増やしている。余剰住戸の分譲収益によって建て替え費用を賄い、従来からの区分所有者は自己負担なしに建て替え後のマンションを取得できたケースだ。裏を返せばこうした条件に恵まれた物件の少なさが、マンション建て替えが進まない原因と言える。