北海道・4時間の壁越えられず航空機と共存目指す

外観は一部の配色を除き、東北新幹線「E5系」とほぼ同じ。内装で独自性狙う

新幹線による移動時間が4時間を切ると、利用客が航空機から新幹線に流れる経験則がある。いわゆる“4時間の壁”だ。

東海道・山陽新幹線を見ると、東京─広島間(3時間53分)では新幹線のシェアが約6割と優勢。東京─新山口間(4時間23分)では新幹線と航空機が拮抗し、東京─博多間(4時間56分)では航空機が8~9割と圧倒的に勝る。

北海道新幹線(新青森─新函館間)は、2016年春の開業まで残り2年を切った。着工時の想定では東京─新函館間の所要時間が3時間40分。航空機より優位に立てる前提だった。ただ結果は、「東京と新函館を最短4時間10分で結ぶ」(島田修・JR北海道社長)と、残念ながら4時間の壁を突破できなかった。

シナリオが崩れた原因は“青函トンネル問題”にある。青函トンネル内とその前後の区間は、在来線と新幹線とが共用。時間帯によっては新幹線と貨物列車がすれ違う。高速走行する新幹線が貨物列車とすれ違うと、風圧で貨物列車が脱線する危険があるので、新幹線は共用区間で在来線並みの時速140キロメートルまで、減速を余儀なくされてしまう。それだけ所要時間が延びるのだ。

現在の東京─新青森間は、最短2時間59分で結ばれている。新青森─新函館間は、共用区間の減速運転を考慮しても57分。「工夫すれば4時間を切るダイヤは可能なはず」と地元では期待する。

もっとも仮に新幹線が4時間の壁を破ったとしても、新函館から函館市内に向かうには、函館行き3両編成のリレー列車に乗り換える必要が出てくる。所要時間は17分だ。その一方、航空機の場合、函館空港から市街地までバスで20分程度と比較的至近距離にある。両者のアクセス性を比べるかぎり、航空機の優位性は揺るぎそうにない。

新幹線の時短効果が当初ほど見込めない今、北海道の観光業界は、宇都宮など埼玉県大宮以北の利用客の開拓に作戦を切り替えた。北関東からは羽田空港までいったん南下する必要があり、北海道へ行くなら新幹線のほうが便利というわけだ。