「隣へ、さらに隣へ」。既存事業の周辺に、つねに新分野を付け加えてきたのがオリックスの歴史だ。祖業のリースから始まり、今では融資などの法人金融サービス、さらに生命保険や銀行のリテール事業まで手掛ける。ここまで幅を広げてきた企業も珍しいだろう。

多角化は「おぼれるかと思った」(宮内義彦会長・グループCEO)リーマンショックから、オリックスを救った。過大投資が裏目に出た不動産関連事業の巨額赤字を、他事業が補ったのだ。各種の融資などを含む不動産関連資産は、リーマンショック直前の2.7兆円台から、足元1兆円(不動産業向け営業貸付金を除く)に急減。利益水準もリーマンショック前に近づいている。事業分散を進めた成果として、市況耐久力と収益構造は以前より強靭になっている。

不動産事業の構造も変えた。その一つが施設運営事業の強化だ。東京スカイツリーに隣接する「すみだ水族館」や、大分の「杉乃井ホテル」をはじめ、旅館・ホテル、ゴルフ場など約110施設の運営を手掛ける。資産は1600億円規模に達し、不動産事業を下支えするまで利益も伸びている。首都圏と関西圏で23施設を展開する老人ホーム等事業も、9年耐えて黒字にこぎ着けた。