有料会員限定

ケータイから始まる日本の出版革命 アメリカの先を行く日本の電子書籍市場

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3 ✎ 4 ✎ 最新
拡大
縮小
携帯電話でマンガを読む習慣が定着してきた。電子書籍は日本の出版文化が変えつつある
©ゆでたまご/集英社

特集「アマゾンの正体」の他の記事を読む

日本の電子書籍も急速に伸びている。その主役はケータイとコミックスだ。

「キンドル」の大ヒットにより米国の電子書籍コンテンツ市場が急成長中だ。だが、現時点では日本のほうがはるかに先を行っている。全米出版社協会の調査によれば、2008年の米国の電子書籍市場規模はわずか1億1300万ドルにすぎない。それに対し、同じ年の日本の市場規模は464億円(インプレスR&D調べ)。日本のほうが、4倍も市場規模が大きい。

さらにいえば、この数字は有料電子書籍の売り上げの合計であり、『恋空』をはじめとしたケータイ小説を世に送り出した「魔法のiらんど」などの無料サイトは、いくら閲覧されても市場規模に含まれない。そう考えると、日本の電子書籍市場は実は数字以上に規模が大きいのだ。

日本の電子書籍市場は02年にはわずか10億円にすぎなかった。当時はパソコン向けのみだったが、03年に携帯電話に定額パケット料金を導入されたことを契機に、ケータイ向けの電子書籍が急速に売れ始めた。今やほとんど横ばい状態のパソコン向けを横目に、電子書籍といえばケータイ向けというのが日本の状況だ。

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
特集インデックス
アマゾンの正体
カリスマ創業者 ジェフ・ベゾスとは何者か
アメリカの先を行く日本の電子書籍市場
ネットユーザー1000人アンケート
▶▶PART3 青息吐息の“出版アンシャンレジーム"
[COLUMN]キーワードで読み解く
[INTERVIEW]アルマクリエイションズ 神田昌典
ニッポンのトップサイトの戦略
[対談]アーキタイプ 中嶋淳×樋口理
読書の達人が語るアマゾンと出版業界
[INTERVIEW]アマゾンジャパン社長
[INTERVIEW]キンドル、物流、ジャヴァリ…
“アマゾン品質"の秘密に迫る
マイクロソフトも震撼
[INTERVIEW]米ソニー 野口不二夫
アマゾンvs.ソニーに米最大書店チェーンも参戦
▶︎▶︎PART1 ここまで進化している米アマゾン
知られざる出版革命
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内