ビジョン2030を発表する記者会見。弱冠31歳のサルマン副皇太子はサウジを抜本的に変革しようとする(代表撮影/Abaca/アフロ)

史上最大のIPO(株式新規公開)は実現するのか。4月、サウジアラビアが世界最大で国営の石油会社、「サウジアラムコ」の株式を上場すると正式に発表した。早ければ2017~18年に実現するとしている。

アラムコの確認埋蔵量は約2600億バレルと石油メジャー最大手・米エクソンモービルの10倍強だ(図1)。企業価値の正式な算定はこれからだが、2兆ドル(約220兆円)以上とサウジは見積もる。時価総額で、世界最大の米アップルのおよそ3倍と、市場関係者は沸き立つ。

[図1]
拡大する

IPOは2段階で行われる予定だ。まずアラムコ株の最大5%を売り出す。5%といえど1000億ドル(約11兆円)。14年の中国アリババIPOでの調達額250億ドルの4倍の規模になる。その後、石油メジャーなどと合弁で展開する、石油精製や石油化学関連会社の上場を検討する。

未曾有のIPOを主導するのは、サウジの若きプリンス、ムハンマド・ビン・サルマン副皇太子(31)だ。最近まで無名の王族の一人にすぎなかったが、15年1月に実父サルマン国王(80)の即位により、にわかに皇位継承権2位に浮上。国防相や経済開発評議会議長に就任するなど、事実上、経済と軍事の実権を一手に握った。