大幅簡素化によってサマリー1〜2枚になってしまうのか(写真はトヨタ自動車の決算短信)(撮影:尾形文繁)

2017年3月期から、投資家は情報不足で動揺するかもしれない。

4月18日、金融審議会のディスクロージャーワーキング・グループが公表した報告書には、驚くべき内容が掲載されていた。上場企業の開示する決算短信(短信)から、「財務3表」(貸借対照表=BS、損益計算書=PL、キャッシュフロー〈CF〉計算書)が消えかねないような提言が、含まれていたからだ。

安倍晋三政権が作成した「日本再興戦略改定2015」(成長戦略15)で、投資家が必要とする情報を効果的かつ効率的に提供するため、検討課題に挙げられていたのが、開示情報の重複排除。その一環で、短信の“大幅簡素化”が俎上に載せられた。

ことこの問題に関しては、財界と証券界は、思惑がすれ違っている。

最終的には、四半期決算開示の廃止にまで持ち込みたい財界と、それを阻止したい証券界。「さらなる短信の簡素化と、四半期開示の任意化を求めていく」(経団連の小畑良晴・経済基盤本部長)。今回は四半期開示を残す一方、短信の内容を大幅に間引くことで、両者互いに落としどころを得た格好である。