くりはら・さとし●1965年生まれ。92年、慶応義塾大学大学院卒。工学博士。NTT基礎研究所、大阪大学などを経て、2013年4月から現職(撮影:梅谷秀司)

電気通信大学大学院教授 栗原 聡 かつてAIには統計や確率といった分析手法が長らく用いられていた。これは画像認識でいえば、なるべく多くの画像をコンピュータに記憶させ、その過去のデータと新たな画像を照合させて認識につなげる手法だった。

ところが2011年、そうした統計・確率型の分析手法の優位性が覆される“事件”が起きた。世界的な音声認識のコンテストでディープラーニングという新手法が、従来の手法を認識率で上回ったのだ。翌年には画像認識でも同様にディープラーニングが実力を見せつけた。

これまでの統計・確率型ではコンピュータが記憶した画像と少し違うだけでも、識別を間違えてしまう。これではどんなに記憶量を増やしても人間のように汎用性のある知能には近づけない。