自立して生きていくうえで、経済力と同様に多くの人が求める条件は健康だ。だが未婚者は、この健康に大きな不安を抱えているといえる。

統計学者の本川裕氏が厚生労働省の人口動態統計(2014年)を基に、未婚者と既婚者(離婚や死別を含む)の死亡率を算出したところ、45~64歳の未婚男性は同世代の既婚者の2.2倍に上るとわかった。未婚女性の場合、既婚者との差はほとんどなかった。

未婚男性の高い死亡率は結婚していないのが原因なのか、それとももともと健康状態の悪い男性が未婚なのか。以下の調査を見るかぎり答えは残念ながら、未婚であることが死亡率を押し上げている、ということになりそうだ。

心筋梗塞は3.5倍 背景に劣悪な生活習慣

順天堂大学の池田愛准教授と大阪大学の磯博康教授(いずれも公衆衛生学)らは、40~79歳の男女約10万人の婚姻と死亡の状況を1999年までの10年間にわたって追跡調査した。調査ではスタート時点の健康状態が同等になるように、血圧や喫煙・運動習慣などに基づいて健康状態を評価するデータに補正をかけてある。その結果、未婚男性を既婚男性と比べると、心筋梗塞による死亡が3.5倍、呼吸器系疾患によるものが2.4倍、自殺を含む外因死で2.2倍などと、さまざまな原因での死亡リスクが高かった。この調査でも、女性については未婚・既婚での差はなかった。