2008年の世界金融危機の原因は、政府や中央銀行による市場への過剰介入にあったのか、あるいは介入不足にあったのか──。学生の小論文のテーマにこんな問いを思いつく教授は私だけではないだろう。私が教えている学生の反応は、大きく三つに分かれた。

約3分の1の学生が主張したのは、政府こそが諸悪の根源だったということだ。学生らは政府による下手な介入が原因で、また米政府が支援していた住宅ローン保証会社などにも市場の効率性を歪めた原因があったと指摘した。中には「最後の貸し手」である米連邦準備制度理事会(FRB)の存在自体を非難した学生もいた。

他の約3分の1の学生は、危機前にFRB議長だったアラン・グリーンスパン氏こそが悪者だと答えた。学生たちは、バブルの様相を呈した状況でもグリーンスパン氏が介入を見送ったことが、結果的に危機につながったと指摘する。先進国政府による規制緩和も、市場の暴走を許した一因だったとも彼らは主張した。