(撮影:今井康一)

株式市場の低迷をよそに、活況を呈しているのが「J─REIT(不動産投資信託)」だ。昨年末から今年3月末にかけて日経平均株価は12.0%下落したが、J─REITの代表的な指数である東証REIT指数は8.5%上昇した。これには理由がある。日本銀行によるマイナス金利政策導入で、REITの分配金の魅力が増したからだ。

REITになじみの薄い人も多いと思う。まずは概要を押さえておこう。REITとは不動産を運用対象とする投資信託で、東京証券取引所に上場している投資法人出資証券がJ─REITと呼ばれる。J─REITは投資家から集めた資金を複数の賃貸不動産に投資し、その賃貸収入や不動産を売却して得た利益を投資家に分配する(図1)。分配金は株式における配当金に相当する。現在、53銘柄が上場している。

[図1]

J─REITは投資法人という特別な法人を作って、不動産への投資や運用を行っている。ただ投資法人は従業員の雇用を禁じられているため、不動産の取得や売却、テナントとの賃料交渉といった業務は資産運用会社に委託している。なお投信法(投資信託および投資法人に関する法律)では、資産運用会社が投資法人を設立することになっている。そのため不動産大手や総合商社など資産運用会社の株主を「スポンサー」と呼ぶことが多い。