かわむら・たかし●1939年生まれ。東京大学工学部卒業。日立工場長や副社長を歴任。2007年に本体取締役退任。09年に本体社長兼会長。10年会長、日本経団連副会長。14年から現職。日本経済新聞社の社外監査役。(撮影:今井康一)

会社なんか簡単に潰れる。リーマンショックの翌年に第2のリーマンショックが来たら、日立は潰れていた。会社は解散し、「企業年金も出なくなってどうする?」と言い合っていたに違いない。

倒産危機から約6年かけて、売上高営業利益率6%と普通の日本企業の水準にまで戻した。ただ、10%はないとグローバルで勝ち残れない。利益は血をにじませるようにして出すものだから、われわれが目指している利益率10%は容易ではない。これから少なくとも6年はかかる。

世界のトヨタに学べ!

1990年以降われわれが怠けている間に、トヨタ自動車は次の利益のための投資を、研究開発から、人材から、販売網から全部、戦略的に世界中でやった。今、それが刈り取れている。約27兆円の売上高で営業利益は約2兆7000億円。グローバル企業の利益率10%を達成している。オリンピックに例えれば、10%はグローバルな競争に参加するための標準記録のようなものだ。

日立物流のように利益率が3〜4%でもう上がらないかもしれない事業は、資本の持ち分を減らすなどして、ある程度遠ざけようとしている。10%に行くときの問題の発生源になるから。10%になるものだけ残れと言っているところに3〜4%でいるのは肩身が狭い。それなら強いところと組み、世界に冠たる会社になるほうがいいと思うだろう。