有料会員限定

値上げ後に早くも値下げ 迷走ユニクロ、遠のく客 大幅減額で一転減益。価格戦略ぶれ客戻らず

拡大
縮小
ユニクロ銀座店でも価格見直しが始まっている。柳井社長(円内)の鶴の一声で決まった(撮影:風間仁一郎)

4月のユニクロ銀座店。平日夕方、一歩店に入ると「1990円」「2990円」など、あちこちで値下げしたプライスが目に飛び込んでくる。商品一点一点についたタグは、手間がかかるため取り替えず、販促用のPOPを急いでこしらえた。

1990円と打ち出されたチノハーフパンツは、実際の商品タグに書かれているのは2490円。シャツやパンツ、スウェットといった定番商品の売り場では、500円程度の値下げが多く見られる。

「この商品は平日も週末も、毎日お買い求めやすい価格に見直しました。」とわざわざ書いてあるPOP。以前は金曜日にチラシを打ち、月曜日までの4日間で値引きセールを実施していた。しかし、こうした週末セールは縮小し、ハイロー戦略とは決別する。平日でも価格を下げて、“毎日安い”というEDLP(エブリデー・ロープライス)戦略へと、大きく舵を切った。

「今まで週末にロープライスで売っていたものを、最初から最低プライス、ギリギリでやる。その価格を週末も平日も維持したほうがより信頼されると思う」と、ユニクロを展開するファーストリテイリングの柳井正会長兼社長は説明する。消費者から見て、上がりすぎていた価格を見直し、ユニクロらしい低価格に戻す、いわば原点回帰だ。

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内