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消費増税再延期で同日選の虚実 吹き始めた解散風

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3月の自民党大会での安倍晋三首相(撮影:尾形文繁)

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2016年度予算の年度内成立を前に選挙モードに突入した永田町では、安倍晋三首相が消費増税再延期を大義名分とした会期末解散=7・10衆参同日選挙を断行するとの憶測が広がっている。円高・株安の進行で政権の命綱とされるアベノミクスの失速も現実味を帯びる中、首相在任中の憲法改正実現もにらんで「同日選で勝負に出る」(民主党幹部)との見立てからだ。しかし、民主、維新両党合流による民進党結成で野党総結集にも弾みがつき、同日選での自民圧勝の保証はない。自民党内では「党内の引き締めと野党分断を狙った政治的ブラフ」(長老)との見方も消えない。

参院3分の2は微妙 サミット解散も

衆参同日選説は自民党内で15年暮れから取りざたされていた。首相は「まったく考えていない」と繰り返すが、ここに来て首相サイドで同日選断行への環境づくりとも受け取れる動きが相次ぎ、解散風が加速した。

まず首相は2月19日の衆院予算委員会で、衆院選挙制度改革に関する有識者調査会の答申に盛り込まれた議員定数10削減について、「15年の国勢調査に基づく区割り見直しに合わせて10の削減を行う」と明言した。自民党の「20年の国政調査まで先送り」との方針を覆す首相決断で、与野党は定数10削減のための公職選挙法改正案の会期内成立に向け動きだした。最高裁判所が15年11月に現行の衆院の選挙制度は違憲状態との判断を示したが、「今国会で定数削減を議決すれば、首相の解散権は縛られない」(首相側近)との見方が広がる。

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