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黒田日銀次の一手はこれだ 金融緩和手段は尽きたのか

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わが国における日本銀行ウォッチの第一人者といえば、東短リサーチの加藤出社長だろう。その加藤氏は2014年に出版した著書の中で、古代に祭祀を執り行ったシャーマン(呪術師)に例え、「世界で最もアグレッシブなマネタリーシャーマンは日本銀行だ」と述べている。

「マネタリーベースを2倍にすることで、インフレ率を2年で2%にする」

黒田東彦総裁の「お告げ」が公布され、年間約50兆円(その後、年間約80兆円に拡大)という、すさまじい規模の国債買い入れが13年4月に始まった。

黒田総裁の「シャーマン度」は年を追うごとに激しくなっている。15年6月には「飛べるかどうかを疑った瞬間に永遠に飛べなくなってしまう」と金融政策をピーター・パンの物語に例え、「大切なことは、前向きな姿勢と確信」と述べた。

マイナス金利政策の導入を決めた直後の今年2月の講演では、先行きの政策運営の見通しについて触れた後、「越えることが不可能と思われていた『金利のゼロ制約』の壁は、日本銀行を含む中央銀行の知恵と実践の中で乗り越えられようとしている」と胸を張った。

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