文系・理系という日本独特の区別が、数学オンチを生み出している。数学は日常のビジネスにも役立つものだ(写真はイメージ)(撮影:今 祥雄)

思考のフレームワークについて論じている中で、前回、高校レベルの数学の勉強法について述べたのには、筆者なりの思惑が二つある。

第一は、高校レベルの数学は、日常的なビジネスにおける非言語的論理を展開するうえで役に立つという思惑からだ。

日本の大学入試には、文科系、理科系という奇妙な区分がある。そもそも中等教育(高校は高等中学校なので、国際基準では中等教育に属する。1950年まで存続した旧制高校は高等教育の初期段階に属するので、本質的に異なる存在)の科目をすべて理解できていることが、高等教育を受けるための必要条件なのである。

特に私大文科系の場合は、専門課程で数学が必要になる経済学部、経営学部、商学部などでも、数学を迂回して受験することができる。日本の大学の現状では、高校時代の知識の欠損を埋めることができるような教育体制にはなっていない。したがって、数学を必要としない科目だけを履修していれば、中学レベルの数学の知識がなくても経済学部を卒業し、さらに大学院に進学して修士学位を取ることは、現実に可能なのである。このような学位が、国際基準で役に立たないことは論をまたない。