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磯崎功典 キリンホールディングス社長
社長として腹をくくった 再編はやるしかない

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 キリンホールディングスはブラジルキリンの不振を乗り越えられるのか。衝撃人事の裏で何があったのか。磯崎功典社長が胸の内を語った。

いそざき・よしのり●1953年生まれ。慶応義塾大学卒業。77年キリンビール入社。2012年同社社長。15年から現職。(撮影:梅谷秀司)

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──2015年12月期はブラジルキリンで約1100億円の減損損失を計上し、上場以降初の最終赤字となりました。

ブラジルキリンは、約3000億円の買収額に見合う価値を発揮できていない。ちょろちょろ減損すれば、こんなに大きな最終損失を出さなくても済んだが、私の次の社長に負の遺産を背負わせないためにここでウミをきちんと出そうと考えた。

1949年の上場以降、初めての最終赤字。私もずいぶん不名誉なことだと思うが、個人のことはどうでもいい。会社をよくしなければダメだ。負の遺産を残して、自分は涼しいところにいる。これは経営者として許されない。腹をくくらなければならない、やりきらなければいけないと思った。

──そもそも買収額が高すぎたということは。

買収の翌年からいきなり不振ならば、そう言えるかもしれない。だが、買収直後の12年は、のれん等償却前で130億円の営業利益が出ていた。ブラジルもBRICSの一角として非常に景気がよかった。

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