白鷗大学教育学部教授 岡田晴恵氏に聞く 『知っておきたい感染症』を書いた

✎ 1〜 ✎ 55 ✎ 56 ✎ 57 ✎ 最新
拡大
縮小

ジカ熱(ジカウイルス感染症)のブラジルでの流行が加わり、21世紀型パンデミック(感染爆発)の火種が広がりを見せている。中でも危険性が高いのは新型インフルエンザだという。

最悪なのは重症度の高いH5N1型の新型化

知っておきたい感染症 ――21世紀型パンデミックに備える (ちくま新書)
知っておきたい感染症: 21世紀型パンデミックに備える (ちくま新書)(筑摩書房)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

──ジカ熱はわかっていることがまだ少ない?

ジカウイルスは、妊娠初期の妊婦の感染と新生児の小頭症の発症が関連すると指摘されている。ジカウイルス自体は70年近く前の1947年にウガンダのジカの森で発見され、最初の流行は2007年にミクロネシアのヤップ島で起こった。蚊が媒介し、ワクチンや特効薬はまだ開発されていない。

ウイルス感染症の一番の問題は、空気あるいは接触によりウイルスが伝染することだ。たとえばエボラウイルス病、MERS(中東呼吸器症候群)、SARS(重症急性呼吸器症候群)、高病原性鳥インフルエンザウイルスのH5N1型やH7N9型。高速大量輸送時代で、海外の発生地から時間を置かず日本に入ってきて、1週間以内には流行が始まり、1カ月もあれば地域流行になってしまう。一人の潜伏期感染者から1カ月で35万人が感染という専門家のシミュレーションもある。現実には同じ飛行機で感染者が一人だけということはないし、大流行に至りかねない。

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内