有料会員限定

巨額投資支える黒子役「AWS」の実力 小売りを抜く日も近い?

✎ 1〜 ✎ 7 ✎ 8 ✎ 9 ✎ 最新
拡大
縮小
セミナーやイベントを頻繁に開催。日系大企業も注目し始めた

特集「アマゾン」の他の記事を読む

初めて明かされた“実力値”は、株式市場にとって大きなサプライズとなった。

昨年4月23日、アマゾンは初めてAWS事業の業績を開示した。AWSはアマゾン・ウェブ・サービスの略称で、中身はクラウドサービスの提供だ。急速に成長を遂げてきたAWSだが、業績についてはいっさい公開されてこなかった。初めて明かされたAWS事業の四半期(2015年1~3月期)売上高は15・66億ドル(約1761億円)、営業利益は2.65億ドル(約298億円)。想像以上の高い収益性に投資家たちは驚いた。

[図1]
拡大する

翌日、アマゾン株は前日比14%高へと急上昇。さらに3カ月後の4~6月期決算では、AWS事業の営業利益が3.91億ドル(約440億円)へ拡大した。株価は10%近くハネ上がり、米小売り最大手であるウォルマートの時価総額を抜き去った。

アマゾンは小売り事業の成長に伴い、ECサイトがアクセス過多でダウンしないように、情報システムの調整・改良に膨大な時間を費やしてきた。システムの拡張も「ワンクリック」になれば便利になると考え、自社のために開発した斬新なサーバーシステムを他社へも開放したのが06年。AWSの始まりだ。

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
特集インデックス
アマゾン
現地ルポ労働・法律問題にまで発展
アマゾン日本法人トップが語る
仏教界は猛反発
事実上の退職勧奨が横行
本の未来はどうなる
eコマース業界で進む優勝劣敗
本命は直販型のこの3社
小売りを抜く日も近い?
誰にでもわかる初心者ガイド
アマゾン創業者兼CEO
アマゾンも参戦濃厚
米国最新事情 物流編 一般市民まで活用
玉木一郎 アマゾン ジャパン・バイスプレジデント
米国最新事情 端末編 買い物体験が劇的に変化
米社のプライム担当幹部が語る
全国展開もすでに視野
お急ぎ便から聴き放題・見放題サービスまで
12兆円の買い物帝国
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内