オバマ米大統領はシリア情勢の安定化に向け、ロシアのプーチン大統領の協力に期待感を示す(ロイター/アフロ)

オバマはシリア安定化の主導権をプーチンに渡した

5年近く続くシリア内戦は大きな転換点を迎えつつある。この2月3日、イラン革命防衛隊ならびにレバノンのシーア派勢力・ヒズボラの地上部隊と、ロシア軍による空爆の支援を受けたアサド政府軍が、シリア北部の最重要都市アレッポの北方にあるヌブルとザフラーという二つの町を占拠。アレッポ内の反政府勢力支配地域とトルコをつなぐ二つの補給路の一つを遮断することに成功した。アサド政府軍はアレッポ東方にあるもう一つの補給路も数週間以内に遮断する見込みである。

同日に、国連のミストゥラ・シリア担当特使は、紆余曲折を経て当初予定の1月25日から4日遅れの29日にスイスのジュネーブでスタートしていた和平協議の中断と2月25日の再開予定を発表した。この和平協議はシリアの反政府勢力による高等交渉委員会(HNC)とアサド政権の間で行われている。

一時は死に体だったアサド政権はなぜここまで盛り返したのか。

実は昨年9月のロシアによる軍事介入の直前、シリアではイスラム過激派・アルカイダの関連組織であるヌスラ戦線ならびにサウジアラビアやトルコの支援する複数の反政府勢力が攻勢に出て、アサド政権の最後の砦ともいうべきシリア西部のラタキアの目前まで迫っていた。