有料会員限定

マネー外交を加速する習近平の狙い 中東で米国に取って代わるのか

✎ 1〜 ✎ 6 ✎ 7 ✎ 8 ✎ 最新
拡大
縮小
今年1月のイラン訪問時、ロウハニ大統領に迎えられる習近平主席(AP/アフロ)

特集「中東危機」の他の記事を読む

米国の中東でのプレゼンスが低下しつつある中、中国の動きが注目を集めている。中国の習近平国家主席は今年1月19日から23日まで、サウジアラビア、エジプト、イランの3カ国を歴訪した。習主席の中東訪問は就任以来初めてだ。原油暴落による中東産油国の財政悪化に加えてサウジとイランの対立が先鋭化する中、中国の存在感を示す絶好の機会となった。

習主席はサウジ、エジプトおよびイランの首脳と、それぞれ工業やインフラ建設、エネルギー分野などで協力する戦略的パートナーシップ関係を強化することで一致した。そして習主席は1月21日、カイロにあるアラブ連盟の本部で演説し、その加盟国に対し工業化促進に150億ドル、商業分野に100億ドル、ほかの優遇金利融資100億ドル、計350億ドルの融資を約束し、さらにアラブ首長国連邦(UAE)やカタールと協力し200億ドルの投資基金を創設するなどと表明した。財政難への対応や石油依存脱却のための製造業振興といった中東産油国のニーズに、中国の動きはマッチしているといえる。

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
特集インデックス
中東危機
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内