政治・社会不安は若年層の急増で増幅される。写真は2013年1月、カイロ中心部でのデモ(ロイター/アフロ)

人、人、人。若者の不満が爆発する

2010年からの民主化運動が中東に大きな政治変動をもたらした「アラブの春」。その背景に若者の人口増加があるとの議論は日本でも知られるようになってきた。

火付け役となったチュニジアの若年層(15~24歳人口)は、15歳以上人口の24%を占める。リビア(27%)、エジプト(30%)、イエメン(40%)など他のアラブ諸国、また、国際テロ組織「イスラム国」(IS)の拠点となっているイラク(34%)、シリア(33%)の水準も軒並み高い。

この比率が、イタリア(11%)に次いで世界で2番目に低い日本(12%)から見れば別世界のようだが、1968~70年の全共闘運動・大学紛争期の日本では25%だった。人口のレンズで見たチュニジアの姿は、当時の日本と重なる。

このような現象を「若年層の膨張」(youth bulge)といい、米国では90年代から人口統計学者のみならず、安全保障・インテリジェンス専門家によっても研究が進められてきた。