金融危機の構造は依然として温存され、いつ再び猛威を振るうかわからない。ここでは昨夏の中国ショックに端を発した危機の構図が、今年1月中旬以降、どう変容したかを見ていこう。

まず、1月中旬以降の世界的リスクオフで大きく潮目が変わったとみられるものがある。それを示したのが図1だ。米国ではFRB(米国連邦準備制度理事会)の量的緩和政策が本格化した2010年以降、日本では黒田東彦日本銀行総裁が異次元緩和を開始した13年以降に、株式市場の「金融相場」が出来した。

[図1]
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金融相場とは俗に過剰流動性相場ともいわれ、企業業績の影響よりも、中央銀行による金融緩和マネーが株式など金融商品に流れ込み、資産価格を押し上げることを指す。

頼みの米国が変調 金融相場が大転換

それ以前の相場は株価が上がれば(景気が上昇すれば)金利も上昇し、株価が下がれば(景気が下降すれば)金利も下降するという連動型だったが、金融相場では金融緩和で金利が低下すると株価が上がるという因果関係に転じた。中央銀行の追加緩和を期待して株価が上昇し、中央銀行に緩和を促「催促相場」が生まれたのもこのような中でのことだ。