【今週の眼】苅谷剛彦 英オックスフォード大学教授
かりや・たけひこ●1955年生まれ。米ノースウェスタン大学大学院博士課程修了、博士(社会学)。東京大学大学院教育学研究科助教授、同教授を経て2008年から現職。著書に『階層化日本と教育危機』『増補 教育の世紀:大衆教育社会の源流』『教育と平等』など。(撮影:尾形文繁)

経済の停滞が長引くとともに、その責任の一端を大学教育に求める声が出ている。特に経済のグローバル化が一段と進展し、中国をはじめアジア諸国からの追い上げが進むにつれ、大学のグローバル対応の遅れが批判の的となっている。

安倍晋三首相の下で教育改革を進める教育再生実行会議は、大学のグローバル化の遅れは「危機的状況にある」とし、大学の再生は「日本が再び世界の中で競争力を高め、輝きを取り戻す『日本再生』のための大きな柱」だと指摘した。

このような指摘を受け、2014年度から始まったのが「スーパーグローバル大学創成支援」である。10年以内に世界ランキング100位以内に日本の大学が10校以上入ることを目指す。現状では東京大学と京都大学だけが100位以内だから、簡単な目標ではない。この2校を含め、特に日本の大学の弱点といわれているのが、外国語(英語)での授業や外国人教員の割合の低さである。支援事業もいきおい、その方面に力点を置く。これらを通じてグローバル人材の育成を強化しようというのだ。