1月29日昼すぎ、関東の地方銀行幹部は頭を抱えた。「黒田(東彦・日本銀行)総裁はいったい何を考えているのか。金融機関を追い詰めようというのか」。

マイナス金利付き量的・質的金融緩和──日銀が新たに導入した金融政策は、金融機関に大きな打撃を与える。その仕組みはこうだ。

肝となる「マイナス金利」は、日銀の当座預金(以下、当預)に適用される。つまり金融機関が日銀に預けると、通常なら元本+利息を受け取れるところ、逆に、預けている期間に応じて元本が減ってしまう。

ただし日銀当預のすべてがマイナス金利になるわけではない。2015年の平均残高である約220兆円については従来どおりプラス0.1%の利息がつく。このため「金融機関に大きな影響が出るとは思っていない」と黒田総裁は説明する。

だが、金融機関が今後日銀に預ける部分にはマイナス金利が適用される。言い換えれば、日銀は従来以上に高い価格で国債を金融機関から買い取るということ。その結果、国債価格は上昇し、利回りは急低下した。