電機業界に再編のうねりが押し寄せている。戦略的なM&Aだけでなく、東芝やシャープのように経営危機の中で突発的に浮上するものもあり、それがさらなる再編を生み出す。

私はアナリストとして30年近く電機業界を見てきた。ここでは独自に開発した「経営重心(R)」理論を使いながら、あるべき再編を提案したい。

まずは経営重心について簡単に説明しておこう。各社はこれまでM&Aの際に技術や市場の類似度合い、企業文化も含めた相性を、勘と経験で判断していた。その結果、電機メーカーが一見似ていても、企業風土や事業の適合性が低かったり、事業ドメインが広がりすぎたりして失敗したケースは多い。

こうした事業や企業の「距離」、経営の「スピード」、事業ドメインの「広さ」を定量化し、経営分析を客観化したのが経営重心理論だ。

まずは、事業サイクル(周期)と事業ボリューム(市場規模)のケタ数を計算して割り出し、事業ドメインの座標を事業重心として決める。スマートフォンはサイクル2年で市場が巨大なので10ケタ(2、10)、FA(ファクトリーオートメーション)はサイクルが6年、6ケタ(6、6)となる(図1)。