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「SONY」の賞味期限 世界で薄れる存在感

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今期は3年ぶりに最終黒字に転じる見込みのソニー。だが本格復活ののろしが上げられないのはエレクトロニクス部門、特に消費者向けの製品がことごとく競争力を失っているからだ。元気があるのはB to BのCMOSイメージセンサーぐらいのもの。

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かつて大黒柱だったテレビ事業は苦戦が続く。米国ではサムスン電子など韓国同業、中国では地場メーカーに市場を奪われ、世界シェアは10%を割り込んでいる。この勢いでは2016年にも中国ハイセンスに3位の座を奪われかねない。

テレビは成熟市場であるにもかかわらず競争が激しい。サムスンは05年から世界首位を維持しているが、単価下落や新興国市場の減速を受け、テレビを柱とする家電部門の収益は急速に悪化している。躍進目覚ましい中国勢も収益は厳しく、勝者なき泥沼市場となっている。

ソニーは14年にテレビ事業を分社化した。現在は「事業変動リスクコントロール領域」として投資を抑えて利益確保を最優先する方針を掲げ、前期は11期ぶりの黒字化を果たした。だがさらに競争が激化し採算改善にメドがつかない場合、いつでも事業の売却・撤退ができる態勢を整えているようにも見える。

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