老後資金の備えのために資産運用しながら節税のメリットもあるというのが、確定拠出年金(DC:Defined Contribution Plan)である。

退職金の一部(ないし全部)として企業が従業員に用意する企業型の確定拠出年金は知られているが、個人単位で利用できる個人型確定拠出年金(個人型DC)は、メリットの割にその存在があまり知られていない。個人型DCの魅力を紹介する。

制度そのものが非課税の仕組み

給与所得者の手元に振り込まれている給与(仮に1万円とする)、その1万円は実際の稼ぎではない。所得税、住民税、社会保険料が天引されているからだ。社会保険料の自己負担率が14.4%で、所得税・住民税の実効税率を合計12%とすれば、約1万3275円を稼いで、ようやく手取り1万円になる計算だ。

これがもし、所得税・住民税非課税のまま自分の老後のために資産形成できるとすればどうだろうか。社会保険料の負担はあるが、先ほどの1万3275円の稼ぎのうち1万1363円が手元に残せるとしたら! 個人型DCの掛け金相当額については全額が所得控除の対象になり、税負担が軽減される。制度を利用するだけで本来1万円であった資金が1万1363円に増えたようなものである。