2015年からの相続増税により、課税対象が広がった。都心部では新たに相続税を支払う必要がある世帯も増えた。ただ、よほどの富裕層でないかぎり、相続税の支払額が莫大なケースは多くない。だから、生前に税金対策を講じなくても、基礎控除や課税特例が適用されれば相続税がゼロで済む場合もあるのだ。

むしろ相続で本当に大変なのは、遺族たちが従前の生活を続けられなくなったり、残された財産をめぐって骨肉の争いを繰り広げる火種がまかれたりしてしまうことなのだ。

ここでは、遺族がもめないようにするため押さえるべきポイントを紹介する(各ケースはすべて仮名)。

ケース1 初めての相続より二次相続を念頭に

青山家は4人家族。父と母は郊外で同居。長男と長女は独立してそれぞれ一人暮らし。父が亡くなり、一戸建てと少額の現預金が残されたが……。

両親が健在の場合、片方の親が死亡すると「一次相続」、残された親も死亡すると「二次相続」が発生する。男性の平均寿命が女性に比べ短い傾向にあるので、一次相続は父親の財産の相続、二次相続は母親の財産の相続になるのが通例だ。