問題の発端となったマンション(撮影:今井康一)
建物の傾きから手すりの高さが異なる(写真提供:横浜市)

横浜市都筑区のマンションに端を発する杭データ偽装問題──。傷口が広がるばかりで、解決の糸口さえ見えない。

同マンションでは、建物の基礎となる杭473本のうち70本で、杭の深度や杭を固定するためのセメント量についてデータの流用や改ざんがあった。

販売元は三井不動産レジデンシャル。元請けの三井住友建設の下に、1次下請けの日立ハイテクノロジーズ、監理を行った2次下請けの旭化成建材、そして実際の杭打ち作業を行った3次下請けがいた。杭打ちの現場を指揮・監督したのは、3次下請けから旭化成建材に出向していた人物だった。

元請けの下に職種別の下請けが連なるゼネコンの重層構造。中でも杭や設備などの調達が必要な「材料系」と呼ばれる職種では、専門分野が細分化しており、元請けや間に入る商社では工程監理が難しくなっている。

問題発覚から1カ月後に開かれた決算会見の場で、三井住友建設の永本芳生副社長は謝罪しつつも「旭化成建材に信頼を裏切られた」と口にした。しかし元請けには、建設全体の品質管理と、下請けの監理責任があることは言うまでもない。業界関係者は、「まさかゼネコン幹部からあんな言葉が発せられるとは。(銀行出身だから)現場のことがわかっていないのではないか。下請けにそっぽを向かれたら、三井住友建設は仕事ができない」とあきれ顔だ。