シリアの紛争は5年目に突入し、難民は増える一方だ。中東の近隣国や、欧州にも流れ込んでいる。国際社会は難民問題にどう向き合うべきか。国際連合の次期事務総長との呼び声も高い、国連開発計画(UNDP)のヘレン・クラーク総裁に聞いた。

Helen Clark●1950年ニュージーランド生まれ。99~2008年に同国で女性初の首相を務める。09年にUNDP総裁就任。国連の実質ナンバー3であり、女性として最高位。(撮影:梅谷秀司)

──シリアの難民問題にはどう対処すべきだと考えますか。

400万人が国を離れ、650万人が国内避難民となっている。そして1900万人の人々がいまだ国内にいる。国内の支援が何よりも重要だ。彼らも国を出ることになれば、いっそう深刻な危機になるだろう。

難民を受け入れる近隣国への支援も必要だ。レバノンには人口の4分の1、ヨルダンには2割に当たる数が流入している。小国には重荷だ。トルコやイラク、エジプトも相当数を抱えている。これらの国での難民数は、欧州よりもはるかに多い。

──具体的な支援とは?

開発・援助機関にできることはたくさんある。シリア国内における水や電力の供給、下水や廃棄物の処理、小規模起業の支援や若者向けの職業訓練などだ。人々が働いて自立し、家族を養えるようにしなければならない。それは近隣国へ渡った難民も同じ。教育や保健・衛生面でほかの機関の援助も必要だ。