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メルケル「英断」の代償 2016年の主役

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東独出身のメルケル首相。ドイツとEUの深化を象徴する存在だ(ロイター/アフロ)

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欧州全体を見回しても、アンゲラ・メルケルほど大きな影響力を持つ政治家はいないだろう。ドイツ連邦政府の首相就任から10年。その間メルケルは、数々の試練をくぐり抜けてきた。

歴代の首相と同じく、メルケルはEU(欧州連合)加盟国と歩調を合わせることを非常に重んじる。ギリシャ債務危機が深刻化した2010年5月には「ユーロが挫折したら、欧州も挫折する」と語った。ユーロと欧州統合を死守したい。そんなメルケルの“鉄の意志”がユーロの安定化につながった。

メルケルは現在、EUで事実上のリーダーの役割を担う。周辺諸国からは、ドイツが安全保障面でもより大きな役割を果たすよう求める声が強い。このことは、メルケルの舵取りが信頼を集める証左ともいえる。

1954年生まれのメルケルは、西ドイツのハンブルクから東側に移住した牧師の娘だ。東独科学アカデミーで物理学の研究員だった彼女は、ベルリンの壁崩壊をきっかけに政治の世界へ飛び込む。

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