(ロイター/アフロ)

圧勝だった。2015年11月8日、ミャンマーで行われた総選挙では、アウンサンスーチー率いる国民民主連盟(NLD)が上下両院で390議席を獲得。一方、テインセイン大統領の与党、連邦連帯発展党(USDP)は、わずか42議席と大敗を喫した。NLDは実に9倍超の差を与党に見せつけた。

両院には軍人議員の枠がそれぞれ25%ずつ存在するが、それを含めてもNLDは上院の60%、下院の58%の議席を占有し、大統領を選出できる単独過半数を確保した。16年3月の政権交代に向け、準備はすでに始まっている。

しかし、勝利の余韻に浸る暇はスーチーにはない。彼女を待ち受けるのは、茨の道そのものだからである。“軍の壁”が高くそびえ、彼女の行く手を阻む。その壁は、現行憲法によって強固に支えられている。

スーチーは憲法上、大統領に就くことができない。第59条6項は、外国籍の配偶者や子供がいる者を正副大統領の有資格者から除外すると定めている。08年に現行憲法を制定した当時の軍事政権が、彼女を大統領にさせないために導入した。二人の息子は英国籍で、かつてはミャンマー国籍も持っていたが、軍政下で剥奪された。スーチーは別の人間を大統領に据えざるをえない。