イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が、日本を攻撃対象として名指ししていることは知られている。2016年には伊勢志摩サミットが予定されている。20年の東京五輪に向けて国内でのテロも警戒する必要がありそうだが、インテリジェンスの世界に通じる佐藤優氏は意外な盲点を指摘する。

私はサミットや東京五輪などは、あまり心配していない。これらについては警備当局も総力戦で臨むだろう。心配なのは、19年に東京で開催が予定されているラグビーのワールドカップ(W杯)だ。

テロリストはつねに脆弱な場所を探している。W杯に五輪と同レベルの警戒態勢をとることはできない。相対的に警備が手薄なW杯で大規模テロを行えば、翌年の五輪に深刻な影響を与えることができる。仮に1000人を超えるような死者が出る惨事を引き起こせば、もう五輪には海外から誰も来なくなるだろう。こうなれば経済的な打撃も大きい。

テロリストの立場から合理的に計算するならば、ラグビーW杯は最適の攻撃対象だ。五輪直前の大きなイベントで海外からテロ要員を紛れ込ませるのが容易な機会だからだ。