“師”でもないのに、今年も12月に入って“走”り回っている。地方での講演だ。

近頃は電車でも飛行機でも車内・機内で本を読むことがほとんどなくなった。娘からもらったiPodを、片耳にイヤホンを入れて聴くことが多い。これも娘の作業でパソコンでの入曲?が数時間分ある。好きなイル・ディーヴォはCDのすべてを、リチャード・クレイダーマンのピアノは“愛のコンチェルト”を中心にほぼ全曲、これにジョン・バリー(『007』の主題曲作曲者)の“フォロー・ミー”(ミア・ファロー主演映画のサウンドトラックから全曲)、そして韓国ドラマ「復活」のこれもサントラからの全曲。さらに日本航空がかつて機内で流していた“ジェットストリーム”(城達也さんの名DJ)がかなり入っている。

城さんの語りが大好きで、城さんが話し始めると、必ず胸の中で同じせりふを言って唇を動かしたものだ。一飛行終わるごとのエンディングテーマ曲“夜間飛行”の、夢幻的なメロディは得も言われぬ境地に私を引きずり込んでいく。「一つの旅の終わりは、新しい旅の始まりであります」という城さんの締めくくりどおり、地上の慌ただしい“新しい旅”の渦の中に身を飛び込ませる。

今年も歴史からいろいろと学ぶところがあった。二十数年前からNHKの週刊誌『ステラ』で、大河ドラマにかかわるコラムを書いているので(すでに1000回を優に超えた)、今年は特に吉田松陰についてあらためて勉強した。彼は師・佐久間象山の教えにより“グローカリズム”を学んだ。グローカリズムとは、グローバルとローカルの合成語だ。つまり誰でも「地方人・国民・国際人の三つの人格を持っている」という発想である。