有料会員限定

“サラメシ"の値下げは起こるか!? 検証 サラリーマンの戦闘食

✎ 1〜 ✎ 5 ✎ 6 ✎ 7 ✎ 最新
拡大
縮小
サラリーマン人気が高い牛丼だが、TPPの恩恵は限定的か(撮影:尾形文繁)

特集「日本の食」の他の記事を読む

牛丼や回転ずし店など日本人にとってなじみ深い外食チェーン。TPPによって輸入食材の下落が見込まれる中、一般消費者からの値下げという恩恵を期待する声は決して少なくない。

とりわけ値下げ期待が高まっているのがサラリーマンに人気の高い牛丼だ。今回の大筋合意では現行38.5%の牛肉に対する関税が、発効後16年目以降は9%にまで下がる。

牛丼チェーン各社が使用する牛肉は、主に北米産のショートプレート(牛バラ肉)だ。現在の価格は1キログラム当たり約600円。これがTPP発効後16年目以降になると関税が29.5%下がるため、同471円となり129円下落する見込みである。牛丼チェーンによって異なるが、牛丼並盛1杯に入っている牛肉の量はおおむね100グラム前後だ。そこからTPPの影響を計算すると、関税引き下げによって牛丼並盛の牛肉調達コストは12・9円下がることになる。

このように牛丼価格の引き下げ余地があるものの、当然ながら、すんなり値下げというわけにはいかない。「輸入牛肉の額は現地相場や為替動向などさまざまな要因で決まるため、関税の引き下げだけで値下げをすぐに決断するのは難しい」(吉野家の河村泰貴社長)からだ。

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内