当局が“口先介入“ 狙われる節税策

国税当局がタワーマンションを使った相続税対策の監視強化に乗り出したとするメディア報道が11月初旬に相次いだ。結果からいうと、これらの報道は当局による“口先介入”効果をもたらした。

発端は10月27日に開かれた政府税制調査会における上西左大信特別委員(税理士)の発言だった。「タワマンを使った節税策を放置すると、不公平感が広がり、税への信頼感が失われる。取り扱いを是正してもらいたい」。この2日後、国税庁内の記者クラブで、上西発言とともに財産評価基本通達(相続税・贈与税の計算で用いられる)の「総則6項」の内容などが説明された。

総則6項には「この通達の定めによって評価することが著しく不適当と認められる財産の価額は、国税庁長官の指示を受けて評価する」と定めてある。かみ砕くと、相続税などの課税額を算定する際に用いる資産額(評価額)が時価(実態)と大きく乖離していたら、通常とは異なる基準で評価額を出すという内容だ。

国税庁は行き過ぎたタワマン節税に総則6項で対処するという意思を示した。これが「国税庁が監視強化」という各報道につながった。