むらい・じゅん●1984年慶応大大学院工学研究科後期博士課程修了。日本のインターネット研究のパイオニア。2015年10月政府主導の「IoT推進コンソーシアム」会長に(撮影:尾形文繁)

今のAIの進化の前提には、データの収集コストが劇的に下がったという事実がある。1980年代初頭、私が米国のスタンフォード大学を訪れた際、目にしたのは脳の論理構造を解析するため、哲学書の文字をすべてコンピュータに手入力している様子だった。当時、データ収集はそれほどの一大作業。今やインターネットの発達で人間行動のデータ収集コストは限りなくゼロに近づき、企業の投資効果も格段に上がった。

今後AIは必要とされるところで活用が進むだろう。たとえば医療や健康。国民が健康であることの社会的意義は大きく、今や大気などの環境や人間の行動、身体の情報まで、あらゆるデータをダイナミックに活用できる。