テロの標的になったのは、観光名所でなく、地元の若者が集うレストランやカフェだった(ロイター/アフロ)

11月13日の金曜日、大きな戦慄(せんりつ)と悲嘆の涙が再び世界を覆った。

日本におけるフランス語教育のメッカ、「アンスティチュ・フランセ東京」は翌14日、パリで発生した同時多発テロの犠牲者追悼のため、半旗を掲揚。夕方の講義では女性講師が冒頭、「現地からの情報が少なく、状況がよくわからない」と顔を曇らせた。

1月に起きた風刺新聞「シャルリー・エブド」本社襲撃や、ユダヤ系食料品店人質事件に次いで、またしてもパリで起きたテロだ。犯行声明を出した、過激派組織「イスラム国」(IS)の実行犯は、無辜(むこ)の民に牙をむいた。

コンサートが行われていた劇場やカフェなど、多くの人が集まる場所を次々に襲撃し、鋭で殺害するという残忍な手口。無差別殺戮(さつりく)による犠牲者は130人を超えた。長年パリに住む日本人は「戒厳令下のような雰囲気の中、自転車に乗って次々と非常線を越え、自宅にやっとたどり着いた」と当日を振り返る。