実際に介護が必要になった場合、どれぐらいのおカネがかかるのか。ここでは2015年の介護保険制度改正も踏まえ、三つの事例に分けて試算してみた。

ケース1は遠方に住む親の介護だ。木下順三さん(仮名、74)は妻を亡くした後、脳梗塞になった後遺症で利き手と利き足にマヒが残った。これまで掃除や洗濯は妻に任せっきりで、ほとんどやったことがない。心配した長男が同居を提案したものの、住み慣れた土地を離れることを嫌がり一人暮らしを続けている。家の中では車いすで移動し、排泄にはポータブルトイレを使う。食事や車いすからベッドへの移動は、何とか自分でできる。

介護費は兄弟で分担 事前の話し合いが重要

在宅介護は介護保険サービスの利用が柱になる。本人も家族も、日中は人目のある所にいたほうが安心ということで、週5回のデイサービスを利用している。訪問介護では掃除や洗濯、身支度、ポータブルトイレの洗浄などを頼んでいる。週末は長男夫婦のどちらかが木下さんの家に行って介護をしている。月に1回ショートステイ(3泊4日)を利用するのは、毎週土日に実家に帰ってくる長男夫婦の負担を軽減するため。ほかに、夜間対応型訪問介護を利用している。