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現地ルポ 食糧増産に注力する北朝鮮農業の現場 全国にモデル農場置き増産ノウハウ拡大狙う

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将泉野菜専門協同農場内の温室。「社会主義競争グラフ」で各個人の成果が示される

「わが国の近代的な農業、特に温室農業の前線基地だ」。平壌(ピョンヤン)中心部から車で30分の所にある将(チャン)泉(チョン)野菜専門協同農場。チョ・チャンピョ技士長は胸を張った。

勤労意欲を引き出すため、ほぼ個人単位で一定面積を受け持つ
温室の面積は日本の一般的なものよりやや広い

農場内の典型的な温室に足を踏み入れると、一面に白菜が育っている。日本のスーパーの店頭でも売られているようにみずみずしい。2014年6月に北朝鮮の最高指導者、金正恩(キムジョンウン)・第1書記が現地指導し、既存の農場に30ヘクタールの温室を付設したこの農場では、ほかにもトマトやキュウリなどが栽培されている。

平壌野菜科学研究所内の農場。トマトやキュウリが栽培されている

ただ、「今年から本格稼働したので、まだ土地の状況を農場員がよく知らない。もっと上手に栽培できるのだが、現段階ではこの程度」と、チョ技士長は打ち明けた。

金正恩政権が本格始動した12年以降、北朝鮮経済が徐々に明るさを見せている。その一つに、食糧の供給状況が改善していることが挙げられており、北朝鮮のGDP(国内総生産)の2割強を占めている、農業生産が上向いてきたことが大きいようだ。

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