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TSUTAYA図書館の賛否 市民価値向上か知の破壊か

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全国初のTSUTAYA図書館である武雄市図書館。オープン当初は公立図書館の革命ともてはやされた

特集「「俺たちはお化けなんだ」 TSUTAYA 破壊と創造」の他の記事を読む

10月のある平日の午後。時折激しく雨が降る天候にもかかわらず、佐賀県・武雄市図書館はにぎわっていた。

人影が多いのは、1階のスターバックスコーヒーだ。図書館の蔵書か併設する蔦屋書店の本かはわからないが、飲み物と読書を楽しむ姿が目立った。2階のカウンター席は、パソコンを使う人で満席だ。ジャズ調の音楽が流れ、暖かな照明が落ちる館内は、代官山に始まる蔦屋書店の雰囲気を彷彿とさせる。「大学の図書館よりずっと落ち着けるので、最近はもっぱらここでリポートを書いている。書店に雑誌が多いのもいい」。地元の男子大学生は話す。

武雄市図書館は築12年の既存図書館を改修し、2013年4月に新装開業した。従来は市の直営だったが、新装後はカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が指定管理者として運営している。

公共施設とは思えないおしゃれな内装と、書店やDVD・CDレンタルを併設した斬新さが注目され、オープン初年度は11年度比3・6倍の92万人が来館した(図1)。この人数は市人口の実に19倍に相当する。民の活力を生かした取り組みとして、全国の自治体関係者が視察に殺到した結果だ。開館時間や日数を大幅に拡大したことなどには利用者の85%が満足しているというアンケート結果もある(図2)。

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