有料会員限定

ゴーン後継とルノー不振 見えぬ「カリスマ後」の世界 ルノー提携から16年

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3 ✎ 4 ✎ 5
拡大
縮小

その日の東京は朝から冷たい雨がしとしとと降り続いていた。しかし、9月25日の早稲田大学・大隈記念講堂は、「カリスマ経営者」の姿を一目見ようと、1000人を超える学生たちの人いきれがしていた。

「日産自動車の経営者はなぜ、(自らの手で)日産を再生することができなかったのでしょうか」 「人間力」をテーマにしたパネルセッションに登壇した日産の社長、カルロス・ゴーンに、ある男子学生がそんな質問を投げかけた。

日産がフランスのルノーと資本提携したのは1999年。20歳前後の学生たちからすれば、ゴーンが日産で振るった「再生請負人」としての辣腕ぶりは、もはやはるか過去の話にすぎないのかもしれない。

「(当時の日産は)危機的状況で混乱が生じていて、優先順位をつけて物事を整理できなかった」 子どもの頃、教師になるのが夢だったというゴーンは、生徒に教え諭すかのように当時を振り返った。

日産は90年代に販売不振に陥り、財務体質が悪化。2兆円を超える有利子負債を抱え、ルノーに助けを求めた。提携後、日産に送り込まれたのが、当時ルノーの上席副社長だったゴーンだ。

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
猛追のペイペイ、楽天経済圏に迫る「首位陥落」の現実味
猛追のペイペイ、楽天経済圏に迫る「首位陥落」の現実味
ホンダディーラー「2000店維持」が簡単でない事情
ホンダディーラー「2000店維持」が簡単でない事情
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内