としま・いつお●一橋大学卒。邦銀を経てスイス銀行外国為替貴金属トレーダーに。現在は独立系の立場から経済全般の情報を発信。(撮影:ヒダキトモコ)

今のドル円相場を牛耳るのが米国のヘッジファンドだ。アルゴリズムを駆使した超高頻度取引(HFT)が、ボラティリティの高い相場を生み出す。ファンドの動向に詳しい経済アナリストの豊島逸夫氏に、その動向や思惑を聞いた。

日本国内では、黒字基調の経常収支を基に円高に向かうとの議論も出てきているが、ニューヨーク(NY)のヘッジファンドはそう考えていない。「いったいどうすれば円高になるのか。円安ドル高しかない」という姿勢だ。売れるところまで売ったユーロに対して、まだ売りの余地がありそうな円に照準を合わせている。

彼らが見ているのは「緩和度」だ。9月こそ見送られたものの、数カ月以内に米FRB(連邦準備制度理事会)は利上げするとの見方が強い。その反面、日本銀行は追加緩和の可能性もある。円安ドル高の根拠は、この日米金融政策の非対称な方向性に尽きる。NYのファンドが視野に入れているのは1ドル=125~127円の水準。2016年には130円くらいになると考えている。