為替レートは株価などに比べ難しく思えるかもしれない。

株価であれば、株式を発行する企業が目に浮かぶ。しかし為替レートが対象とするのは通貨であり、しかも二つの通貨を同時に考えなければならず、複雑に見える。

ただ為替レートは、株式や生鮮食品と同じで、市場の需給、つまり買い手と売り手の思惑が一致した時に決まる。つまりレートの先行きを予想することは、市場参加者の思惑を考えるということにほかならない。

[図1]
拡大する

為替市場の参加者は、取引の目的によって「実需」と「投機」に分けることができる。実需とは、その名のとおり「実際の需要」に基づいた取引のこと。日本に住む人が米国で米ドルを使うため、円をドルに換えるのは実需の一つだ。

投機は、為替レートの動きから利益を得ることを目的とする取引のことで、外国為替証拠金取引(FX)も含まれる。ドルの上昇を予想してドルを買うのは、投機の一つだ。

実需に影響を与えるのは、主に貿易と資本フローだ。一方、投機は、景気、物価、金利などさまざまな経済活動の影響を受ける。ただ投機は、実需の動きに先んじようとする傾向があるため、不確かな情報であっても、ちょっとした材料で思惑が大きく動くこともある。