JLLは世界主要都市の不動産市況を比較分析しているが、日本、とりわけ東京の賃料は国際的にも見通しが明るい。

都市の賃料動向を時計に見立てた「不動産時計」(図1)でいうと、東京は今9時少し前。賃料上昇率のピークに差しかかろうとしているという意味だ。2015年第2四半期時点で都心5区のハイグレードビルの空室率は3.3%と非常に低く、賃料も前年同期比5%上昇している。中でも丸の内や大手町、渋谷、新宿では8%台の高い上昇率となっている。

[図1]
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今後は16年にかけて、東京の賃料上昇率がピークに到達するだろう。13~15年の新築ビル供給量が少なかったため、ここまで空室率は下がり続けた。だが今後の供給量と経済環境を考えると、賃料上昇率は15~16年に10%弱で最大化する可能性が高い。

さらにその先の17年は、消費税再増税(4月)を受けて需要面の懸念がある。供給面でも、17年こそ供給量が少ないが、18年以降になるとかなり増えることが見込まれる。この分のテナント募集が前倒しで始まるため、17年が賃料動向の正念場となりうる。つまり、賃料上昇率は5%くらいに減速するとみている。とはいえ、18~19年も空室率は5%以下に収まる見通しのため、賃料は減速しながらもまだ上昇を続けるだろう。不動産時計でいうと20年まで、東京の賃料が下落する右側に来ることはないと考えている。