サントリーに感じる一族の力

早稲田大学大学院客員教授 米田 隆

よねだ・たかし●1981年日本興業銀行入行。為替トレーディング、国際営業などを担当。91年同行退職後、経営コンサルティング会社設立。(撮影:今井康一)

今、日本の企業が直面している大きな問題が事業承継です。高度経済成長が始まる前に企業を創業した人たちが、年齢を重ねた。バブル時代はまだ60歳代前半で元気いっぱいだったが、20年以上が経過して、そうはいかなくなりました。

どんなファミリービジネスでも経営者でもライフサイクルからは逃れられない。そうした事実を突き付けられる時代に入ってきたのです。ファミリービジネスの経営交代の問題の本質は、事業を継ぐ者がその後の20~30年も経営を担うということです。もし誤った事業承継を行うと、その瞬間から企業は破綻への道を歩むことになります。

その可能性はけっこう高い。創業者はその経営スタイルや事業が時代にフィットしてきたからこそ成長を成し遂げてきたわけですが、どうしても徐々に時代とずれてくる。ところが、成功体験を持っている人というのは自己否定できない。そんな創業者の親は多いです。