後ろは2008年開業の「マリンプラザあがり浜」。MICEと連動したスクラップ・アンド・ビルドによる再構築が頭をよぎる(撮影:大城弘明)

政府と沖縄県が米軍普天間飛行場の辺野古移設問題で「集中協議」をしていた8月末、闘う知事・翁長雄志(64)は一人の父親に戻っていた。大安の日、翁長の長男の結婚披露宴が那覇市首里の高台に立つホテルで催された。

その昔、琉球王がめでた眺望が眼下に広がっている。真っ先に来賓祝辞のマイクを渡されたのは、沖縄屈指の企業グループ、「金秀グループ」を率いる呉屋守將(ごや・もりまさ)(66)だ。

呉屋は「オール沖縄で辺野古移設を阻止しよう」と訴え、翁長の取り組みを称賛する。「知事激励会」さながらの雰囲気が会場を包んだ。呉屋のスピーチが10分、15分と続き、20分に及んで列席者が顔を見合わせ始めると、翁長自身が「そろそろ締めて」と合図を送る。ハッとわれに返った呉屋は、恐縮しつつマイクを置く。翁長と呉屋の飾らない親密さが垣間見られた一幕であった。

沖縄メディアの世論調査では県民の8割が翁長の姿勢を支持している。本土の企業人は、「沖縄は基地経済に依存しているのになぜ?」「知事のかたくなさは沖縄振興予算を引き出す交渉術では?」といぶかっていると伝えると、呉屋は、こう答えた。